船場の浮世小路
今橋と高麗橋の間にあった浮世小路。西鶴にも登場しているけれど、近代以降は、忘れられていたと思う。 私がこの浮世小路のことを知ったのは20年くらい前、織田一磨のリトグラフを見てのことだった。浮世小路といえばミナミ道頓堀にあるあの通路(今はない)、と思っていたので、なにそれ? となった。
探しに行ってみると、そこは都会の片隅のなんでもない細い道に過ぎなくて、ランチを食べるような普通な飲食店がいくらかあるだけ。かつての面影は全くないもよう。ほんとになんでもないので、ほんとにここなのかな?と半信半疑だった。
その後、特にその辺りに用向きもないので通りかかることもなく忘れていたのだが、きょうたまたま行ってみると、写真の如く堂々「浮世小路」と街路板が立っている。
写真中央の道は三休橋通り。交差しているのが浮世小路。右に行くと堺筋、左に行くと御堂筋。
歴史的建造物がいろいろとあるこのあたりの町おこしの一環で、浮世小路も見直されたのだと思われる。土蔵が並ぶ裏通りに出会い宿や色街関連の間口があったという秘められた場所だったのものが、これは歴史遺物ということになると晴れのスポットライト浴びちゃったという感じだ。